オコジョとイタチとテンの違いは何ですか?
天井裏や壁の中で動物を見かけたら、まず大きさで絞ります。
大きい順に、ホンドテン(頭胴長45センチ・体重1.1〜1.5キロ)、ニホンイタチのオス(頭胴長27〜37センチ・体重290〜650グラム)、オコジョ(頭胴長16〜18センチ・体重80〜105グラム)です(出典:国立環境研究所、岐阜県)。
ホンドテンはニホンイタチのオスより、体長・体重ともに明確に大きいことが分かっています(国立環境研究所)。
オコジョは山地帯から高山帯に生息し(岐阜県)、本州では東北から中部地方北部の山岳・高山地帯に分布するとされます(山ノ内町)。
住宅地で見た場合、オコジョである可能性は低いと考えられます。
尾の先端が季節を問わず黒いのもオコジョの特徴です(環境省)。
イタチ・テン・オコジョは、いずれもネコ目(食肉目)イタチ科に分類されます(国立環境研究所、岐阜県)。
被害の全体像を知りたい方はイタチの見分け方と駆除もあわせてご覧ください。
住まいで見た1匹を、大きさ・毛色・尾で絞る
大きさで絞る
ニホンイタチはオスとメスで体格差が大きく、メスは頭胴長16〜25センチ・体重115〜175グラムとオスより大幅に小さいです(国立環境研究所)。
チョウセンイタチのオスは頭胴長28〜39センチ・体重650〜820グラムです(国立環境研究所)。
自治体の案内では、種を区別せず体長30〜40センチ程度と説明されることが多いです(大阪市住吉区、北九州市)。
農林水産省はテンを頭胴長40センチ前後・尾長20センチ前後としています。
国土交通省太田川河川事務所は、テンのオスを頭胴長約45センチ・体重約1500グラム、メスを頭胴長約40センチ・体重約900グラムとしています。
毛色と尾で絞る
ニホンイタチの毛色は茶褐色〜赤褐色、チョウセンイタチはやや褐色がかった山吹色とされます(環境省)。
尾長が頭胴長の半分以上ある個体は、チョウセンイタチと判別されます(環境省)。
テンの尾は太いとされます(国土交通省 太田川河川事務所)。
オコジョは夏は背面が茶褐色で腹面が白色、冬は全身が白色になり(岐阜県)、尾の先端は季節を問わず黒色のままです(環境省)。
見分けに迷う場合はイタチに似た動物も参考にしてください。
季節によって見え方が変わる
テンは夏は褐色で、冬は鮮やかな黄色の「キテン」と灰褐色のままの「スステン」に分かれます(国土交通省 太田川河川事務所)。
農林水産省は、テンの夏毛は顔が黒く体が茶褐色、冬毛は顔が白く体が明るい黄色になるとしています。
オコジョの冬毛は全身が白色になります(岐阜県)。
イタチとテンはどう違うの?
ホンドテン(頭胴長45センチ・尾長19センチ・体重1.1〜1.5キロ)は、ニホンイタチのオス(頭胴長27〜37センチ・体重290〜650グラム)より明確に大きいです(国立環境研究所)。
テンの冬毛は顔が白く体が明るい黄色になるとされ(農林水産省)、ニホンイタチは茶褐色〜赤褐色、チョウセンイタチは山吹色とされます(環境省)。
テンは主に夜行性で、日没後に活動し夜明けに巣穴で休息するとされます(国土交通省 太田川河川事務所)。
イタチは夜行性とする自治体が多い一方(南あわじ市、北九州市)、東大阪市は1年中活動し、都市部では昼夜とも活動すると案内しています。
イタチもテンも自然分布は本州・四国・九州で、ニホンイタチは1880年代に北海道へ移入され、テンの北海道南部の個体群は毛皮生産目的で移入されたものとされます(国立環境研究所)。
チョウセンイタチは福井・岐阜・愛知以西の、沖縄を除く西日本に分布し、「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されています(国立環境研究所)。
詳しい比較はテンとイタチの違いにまとめています。
オコジョはイタチですか?
オコジョはネコ目(食肉目)イタチ科に分類され、イタチやテンと同じ科に属します(岐阜県、国立環境研究所)。
岐阜県は頭胴長16〜18センチ、尾長5〜13センチ、体重80〜105グラムとしています。
長野県山ノ内町の資料では体長15〜20センチ、体重160〜200グラムとされ、岐阜県の数値と食い違います。
出典によって数値に幅があることは覚えておく必要があります。
オコジョは山地帯から高山帯に生息するとされます(岐阜県)。
ホンドオコジョは長野県の県指定天然記念物(1975年11月4日指定)です(山ノ内町)。
ホンドオコジョ・エゾオコジョはいずれも環境省レッドリスト2020で準絶滅危惧に区分されています(環境省)。
オコジョやイイズナは捕まえて飼えるのか
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
オコジョとイイズナは、現行の狩猟鳥獣20種の一覧に含まれていません(環境省)。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(栃木市)。
ホンドオコジョ・エゾオコジョは環境省レッドリスト2020で準絶滅危惧であり、ホンドオコジョは長野県の県指定天然記念物です(環境省、山ノ内町)。
飼育制度そのものについては、出典を確認できていません。
天井裏や床下に入るのはどの動物か
イタチは胴が細長く、直径3センチ程度の隙間から侵入できます。
大阪府はイタチが3センチメートル四方の穴から出入りできると案内し、大阪市住吉区は3センチメートル(500円玉大)の隙間から侵入するとしています。
大東市は3センチ程度の隙間に侵入するとし、3センチ未満の網目の資材を推奨しています。
東大阪市は、イタチが既存の穴や隙間を巣に使い、屋根裏や床下に住み着くとしています。
大阪府と堺市は、イタチがグラスウール断熱材をほぐして営巣・子育てすることがあると案内し、堺市はそのケースが増えていると説明しています。
農林水産省は、テンが中山間地域では家屋の屋根裏や物置を利用することがあるとしています。
被害として、堺市は天井裏の騒音・糞尿の臭気・台所や店舗への侵入、大阪市住吉区は天井裏を走り回る騒音と尿・糞の臭い、南あわじ市は足音や鳴き声の騒音・建材の破損・排せつ物の悪臭を挙げています。
大東市はイタチによるノミ被害にも言及しています。
イタチは肛門腺から強い臭気を出します。
食べ物と繁殖の時期からも絞れる
国立環境研究所は、ニホンイタチがカエル、ネズミ類、鳥類、昆虫類、甲殻類、魚類を食べるとしています。
チョウセンイタチの食性には、さらに果実類が挙げられています(国立環境研究所)。
大阪府はイタチの主食をネズミ・鳥類・昆虫などの動物食とし、東大阪市は雑食性としてネズミや小鳥の卵・ヒナ、カエル、昆虫類を好むとしています。
テンは雑食性で、果実・昆虫類・カエル・小魚・小鳥・ネズミなどを食べます(国土交通省 太田川河川事務所)。
堺市はイタチの出産期を4月頃〜8月頃、年1回5〜6頭としています。
南あわじ市はイタチの出産期を3月〜5月頃としており、堺市と時期が食い違います。
出産期については自治体によって案内が異なるため、目安として捉える必要があります。
天井裏の音が、動物とは限らない場合
木造住宅では、冬の乾燥時や天井裏と室内の温度差が大きい時に、木材の乾燥による軋み音が数年にわたり生じることがあります(住まいるダイヤル)。
この軋み音は必ずしも施工上の瑕疵ではなく、木材の自然な性質による可能性があるとされます(住まいるダイヤル)。
マンションでは給排水管のウォーターハンマー音や、ポンプ・エレベーターの振動が固体伝搬音として聞こえる例が報告されています(住まいるダイヤル)。
天井のシミや水音が雨漏りではなく、室内外の温度差による結露が原因の場合もあります(住まいるダイヤル)。
住まいるダイヤルは国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、住宅の不具合に関する電話・専門家相談を無料で受け付けています(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)。
音の正体に迷う場合は屋根裏で音がする。正体を音から絞るや音がするも参考にしてください。
捕まえる前に確認すること。種によって扱いが違う
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
狩猟鳥獣として指定されているのは「イタチ(オス)」で、平成29年9月からチョウセンイタチのメスのみが追加指定されました(環境省)。
群馬県は狩猟の対象を「イタチはオスに限る」と明記しています。
狩猟鳥獣として「テン(ツシマテンを除く)」が指定されており、テンの狩猟対象規定にはイタチと違ってオス・メスの区別がありません(環境省、群馬県)。
オコジョとイイズナは狩猟鳥獣20種の一覧に含まれていません(環境省)。
狩猟鳥獣であっても、住宅の被害を理由に捕獲する場合は市町村長等の許可が要ります(大阪府、北九州市、東大阪市)。
捕獲許可の申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
栃木市では捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要で、わなは1日1回以上の見回りが義務づけられ、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣します。
これは栃木市の運用で、ほかの市区町村が同じ条件かは確認していません。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(栃木市)。
なお、ネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)は鳥獣保護管理法の対象外で、自力で駆除できます。
見分けに自信が持てない場合はイタチを見たらもあわせてご確認ください。
自治体の制度を確認し、業者に頼むときに見るところ
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
ただし消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません(町田市)。
町田市は民間業者の相談先として、公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っており、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります(板橋区)。
ここで挙げた事業は町田市と板橋区のもので、対象はアライグマ・ハクビシンです。
イタチやテンが対象に含まれるか、ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれ、封鎖をしないと再発します。
見積もりで3工程が含まれているかを確認してください。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
アライグマは特定外来生物に指定されており、生きたままの運搬・飼養・放出が禁止されています。
コウモリは鳥獣保護管理法の対象で、捕獲・殺傷はできず、追い出しと侵入口の封鎖で対応します。
ただし冬眠期(おおむね12〜3月)は追い出しができないため、作業できる時期が限られます。