シベリアイタチとは。日本ではチョウセンイタチと呼ばれる同じ動物
「シベリアイタチ」という名前で検索して来られた方もいると思います。
国立環境研究所の侵入生物データベースでは、この動物は「チョウセンイタチ」の名で掲載されています。
分類は哺乳綱 食肉目(ネコ目) イタチ科です(出典:国立環境研究所)。
チョウセンイタチは「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されています(出典:国立環境研究所)。
名前の表記は資料によって揺れることがあるため、本記事では国立環境研究所の表記に合わせて「チョウセンイタチ」の呼称で統一します。
自治体の案内や報道でも、呼び方が一定しないことがあります。
シベリアイタチは日本には生息していますか?
国立環境研究所によると、チョウセンイタチは福井・岐阜・愛知以西の、沖縄を除く西日本に分布しています。
対して、ニホンイタチの自然分布は本州・四国・九州で、北海道へは1880年代に移入されたとされています(出典:国立環境研究所)。
大阪府、堺市、大阪市住吉区、東大阪市、大東市は、いずれもイタチの被害について案内を出しています。
ただし、これらの自治体の案内は種を区別しておらず、どちらの種を指しているかまでは特定できません。
住まいに出た動物の見分け方や対策の全体像は、こちらにまとめています。
イタチとシベリアイタチの違いは? 尾の長さと毛色で分ける
ニホンイタチとチョウセンイタチは、尾の長さと毛色で判別する手がかりがあります(出典:環境省)。
体の大きさも種によって異なり、自治体の案内では種を区別せず体長30〜40センチ程度とされることが多い状況です(出典:大阪市住吉区、北九州市)。
なお、本記事に掲載している画像は生成したものであり、撮影写真ではありません。
見分けの根拠にはしないよう、あわせてお伝えします。
似た動物との詳しい見分け方は、以下の記事で扱っています。
尾の長さで見る
尾長が頭胴長の半分以上ある個体は、チョウセンイタチと判別されます(出典:環境省)。
毛色は、ニホンイタチが茶褐色〜赤褐色、チョウセンイタチはやや褐色がかった山吹色とされています(出典:環境省)。
走り去る一瞬で尾の比率を測るのは難しく、あくまで判別の基準として示されている数字です。
体の大きさで見る
ニホンイタチのオスは頭胴長27〜37センチ、体重290〜650グラムです。
ニホンイタチのメスは頭胴長16〜25センチ、体重115〜175グラムで、オスより大幅に小さくなっています(出典:国立環境研究所)。
チョウセンイタチのオスは頭胴長28〜39センチ、体重650〜820グラムです(出典:国立環境研究所)。
シベリアイタチは何を食べるか
国立環境研究所は、ニホンイタチがカエル、ネズミ類、鳥類、昆虫類、甲殻類、魚類を食べるとしています。
チョウセンイタチの食性には、これに加えて果実類が挙げられています(出典:国立環境研究所)。
大阪府は、イタチの主食をネズミ・鳥類・昆虫などの動物食としています。
東大阪市は雑食性とし、ネズミや小鳥の卵・ヒナ、カエル、昆虫類を好むと案内しています。
活動時間と繁殖の時期
夜行性とする自治体が多くみられます(出典:南あわじ市、北九州市)。
一方、東大阪市は1年中活動し、都市部では昼夜とも活動すると案内しています。
繁殖期については、堺市が出産期を4月頃〜8月頃、年1回5〜6頭としています。
南あわじ市は出産期を3月〜5月頃としており、堺市とは時期の案内が食い違っています。
このほか、肛門腺から強い臭気を出す点も知られています。
家に入るのはどんなときか。3センチの隙間と断熱材
胴が細長く、直径3センチ程度の隙間から侵入できます。
大阪府は3センチメートル四方の穴から、大阪市住吉区は3センチメートル(500円玉大)の隙間から侵入すると案内しています。
東大阪市は、既存の穴や隙間を巣に使い、屋根裏や床下に住み着くとしています。
大阪府と堺市は、グラスウール断熱材をほぐして営巣・子育てすることがあると案内しています。
堺市は、こうしたケースが増えていると説明しています。
住宅で起きる被害
堺市は被害として、天井裏の騒音、糞尿の臭気、台所や店舗への侵入を挙げています。
大阪市住吉区は、天井裏を走り回る騒音と、尿・糞の臭いを被害として挙げています。
南あわじ市は、足音・鳴き声の騒音、建材の破損、排せつ物の悪臭を被害として挙げています。
大東市は、イタチによるノミ被害にも言及しています。
シベリアイタチは捕まえられるのか。狩猟鳥獣の指定はオスとメスで違う
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
狩猟鳥獣として指定されているのは「イタチ(オス)」です(出典:環境省)。
平成29年9月からは、チョウセンイタチのメスのみが狩猟鳥獣に追加指定されました(出典:環境省)。
群馬県は、狩猟の対象を「イタチはオスに限る」と明記しています。
狩猟鳥獣であっても、住宅の被害を理由に捕獲する場合は市町村長等の許可が要ります(出典:大阪府、北九州市、東大阪市)。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(出典:栃木市)。
捕獲の許可を取るとき、どこに何を出すか
捕獲許可の申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
栃木市では、捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要です。
わなは1日1回以上の見回りが義務づけられており、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣します(出典:栃木市)。
この手続きは栃木市のものであり、ほかの市区町村に同じ手続きがあるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
制度の全体像は、こちらにまとめています。
自治体の制度で、イタチはどこまで対象になるか
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
ただし消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません(出典:町田市)。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っています。
侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります(出典:板橋区)。
これらの事業が対象としているのはアライグマとハクビシンで、ほかの市区町村に同様の事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
町田市は民間業者の相談先として、公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています。
すでに住み着かれている場合、何から動くか
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれます。
封鎖をしないと再発するため、この3つがそろって初めて落ち着く作業です。
なお、中にいる状態で侵入口を塞ぐと閉じ込めになるため、出ていったことを確認してからの封鎖が前提になります。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
自治体の制度、費用の考え方、業者の選び方は、それぞれ以下で確認できます。
