先に結論。イタチが来なくなるのは、追い出してから3センチの隙間を塞いだときだけ
イタチの駆除は、追い出し・捕獲、清掃・消毒、侵入口の封鎖という3つの工程に分かれます。
このうち封鎖をしなければ、同じ隙間からまた入られます。
イタチは胴が細長く、直径3センチ程度の隙間から侵入できるためです。
大阪府は3センチメートル四方の穴から出入りできると案内し、大阪市住吉区は3センチ(500円玉大)の隙間としています。
大東市は3センチ未満の網目の資材を推奨しています。
忌避剤や超音波は、この封鎖が終わるまでの間だけ距離を取らせる手段にすぎません。
封鎖をしないまま忌避剤だけに頼っても、効果は長く続きません。
駆除の全体像はイタチの見分け方と駆除にまとめています。
イタチが来なくなる方法はありますか? 効く順に並べると
結論として、来なくなるかどうかを決めるのは封鎖です。
餌を断つことや、巣に使える場所をなくすことは、封鎖とあわせて行う補完策にあたります。
忌避剤や音は一時的に距離を取らせるだけなので、これだけでは戻ってくる余地が残ります。
東大阪市は、既存の穴や隙間を巣に使い、屋根裏や床下に住み着くと案内しています。
大阪府と堺市は、グラスウール断熱材をほぐして営巣・子育てすることがあると案内しており、堺市はこうしたケースが増えていると説明しています。
断熱材が荒らされている場合は、巣として使われている可能性があるため、封鎖とあわせて対応が必要です。
餌が残っている家には、また来る
国立環境研究所は、ニホンイタチがカエル、ネズミ類、鳥類、昆虫類、甲殻類、魚類を食べるとしています。
チョウセンイタチの食性には、さらに果実類が挙げられています。
大阪府はイタチの主食をネズミ・鳥類・昆虫などの動物食としています。
東大阪市は雑食性とし、ネズミや小鳥の卵・ヒナ、カエル、昆虫類を好むと案内しています。
家にネズミがいる状態は、イタチにとって餌がある状態でもあります。
ネズミのうちクマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミの3種は、鳥獣保護管理法の対象外で、自力で駆除できます。
ネズミの見分け方と駆除もあわせてご覧ください。
屋外に置いてあるものを見直す
果実類を食べるチョウセンイタチは、福井・岐阜・愛知以西の、沖縄を除く西日本に分布します。
庭先の果実や生ゴミが放置されていないか、見直す余地があります。
大東市は、イタチによるノミ被害にも言及しています。
超音波装置で来なくなるのか。業者自身が案内している限界
超音波装置について、駆除業者自身が限界を案内しています。
害獣対策の窓口は、1種類の音だけでは慣れてしまう可能性があるとしています。
超音波が届く範囲にも限界があり、1か所に置くだけでは足りない場合があるとも案内されています。
また、装置によって対象の動物が異なるため、事前の確認が必要とされています。
この案内はハクビシンを対象に出されたものですが、装置ごとに対象動物が異なるという点はイタチにも当てはまる考え方です。
購入前に、イタチ用として案内されている装置かどうかを確かめてください。
唐辛子に含まれるカプサイシンの匂いを嫌う傾向があるとされ、これを使った忌避剤も市販されています。
いずれも、封鎖までのつなぎとして使うものです。
追い出したつもりが、中に残っていることがある
堺市はイタチの出産期を4月頃〜8月頃、年1回5〜6頭としています。
一方、南あわじ市は出産期を3月〜5月頃としており、堺市とは時期が食い違います。
子がいる時期に出入口を塞ぐと、中に取り残す形になりかねません。
活動時間についても、東大阪市は1年中活動し、都市部では昼夜とも活動すると案内しています。
夜行性とする自治体も多く(南あわじ市、北九州市)、活動時間の説明は自治体によって書き方が異なります。
出産期も活動時間も自治体によって案内が違うため、時期や時間帯だけで判断せず、実際に出ていったかを確認してから塞ぐ必要があります。
来なくなったかどうかを、どう確かめるか
まず、天井裏を走り回る足音が止まったかを確かめます。
大阪市住吉区は、この騒音を被害として挙げています。
次に、フンと尿の臭いが増えていないかを確かめます。
南あわじ市は、排せつ物の悪臭を被害として挙げています。
イタチは肛門腺から強い臭気を出すため、清掃・消毒をしないと臭いが残り、止まったかどうかの判断がつきにくくなります。
なお、天井裏の音は動物とは限りません。
木造住宅では、冬の乾燥時や天井裏と室内の温度差が大きい時に、木材の軋み音が数年にわたり生じることがあります(出典:住まいるダイヤル)。
この軋み音は必ずしも施工上の瑕疵ではなく、木材の自然な性質による可能性があるとされています。
音の正体を見分けたい場合は屋根裏で音がする。正体を音から絞るをご覧ください。
自分で捕まえて追い払うことはできない
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
追い出し自体は規制の対象ではありませんが、捕まえることには許可が要ります。
狩猟鳥獣として指定されているのは「イタチ(オス)」です(出典:環境省)。
平成29年9月からは、チョウセンイタチのメスのみが狩猟鳥獣に追加指定されました。
群馬県は、狩猟の対象を「イタチはオスに限る」と明記しています。
狩猟鳥獣であっても、住宅の被害を理由に捕獲する場合は市町村長等の許可が要ります(出典:大阪府、北九州市、東大阪市)。
許可なく捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(出典:栃木市)。
申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
栃木市では捕獲開始の10日前までに申請書の提出が必要で、わなは1日1回以上の見回りが義務づけられ、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣します。
自治体の事業で、どこまでしてもらえるか
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
この事業の対象はアライグマとハクビシンで、イタチは対象に含まれていません。
消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません。
町田市は、民間業者の相談先として公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っていますが、こちらもイタチは対象外です。
侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります。
これらは町田市・板橋区の事業であり、ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認できていません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体の制度も参考にしてください。
封鎖まで自分でやるか、業者に頼むか
追い出しと清掃までを自分でやっても、封鎖が残っていれば同じ隙間から戻ります。
塞ぐ資材は、3センチ未満の網目が推奨されています(大東市)。
封鎖まで終えて、初めて「来なくなる」状態に近づきます。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
住宅の不具合そのものについて相談したい場合は、住まいるダイヤルが窓口になります。
国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、電話・専門家相談を無料で受け付けています。
業者に見積もりを取るときは、追い出し・清掃・封鎖の3工程のうち、どこまでが含まれているかを確認してください。
