ハクビシンが出たらどうすればいいですか?|相談先は3つに分かれる
ハクビシンの被害に気づいたら、相談先は大きく3つに分かれます。
「市区町村の担当課(捕獲の許可・自治体の防除事業)」「民間の駆除業者」「住宅の不具合を扱う相談窓口」です。
ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕獲・殺傷することはできません。
自分で捕まえる前に、まず相談が必要です。
捕獲許可の申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれます。
町田市・板橋区・目黒区の事業では、このうち消毒と侵入口の封鎖は対象外で、自己負担になります。
全体の判断基準はハクビシン駆除|自分でできる範囲と業者に頼む判断・依頼先の選び方で整理しています。
ハクビシン駆除は市役所に相談できるのか|名前の出ている自治体の制度で見る
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
ただし消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っていますが、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外です。
これらは自分で業者へ依頼する必要があります。
目黒区は箱わなの貸出と捕獲動物の回収費用を負担しますが、糞尿の清掃・消毒と侵入口の封鎖は自己負担です。
条件は区内在住・糞尿被害の実在・立会いで、年度1回限りです。
横浜市は住居内への侵入被害に限り、市契約業者による捕獲・回収を無料で行います。
庭での目撃や池の被害は対象外で、一人当たり2週間まで、年1回限りです。
ここに挙げたのは町田市・板橋区・目黒区・横浜市の制度で、ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体の制度全般は自治体の制度にまとめています。
箱わなを貸し出す自治体に相談した場合、見回りは自分で行う
船橋市はアライグマ・ハクビシン限定の捕獲用ワナを無料貸出しし、設置期間は最大8週間です。
狛江市の箱わな貸出は1日1回以上の見回りが条件で、貸出期間は原則3週間です。
千葉市は生活被害を受けた人を対象に箱ワナを貸し出し、貸出期間は原則設置日から1か月間です。
戸田市は箱わなによる捕獲を無料で実施しますが、初回設置時を除きエサは利用者が用意します。
八王子市は獣害対策課がアライグマ・ハクビシン捕獲用の箱わなを貸し出しています。
これらは船橋市・狛江市・千葉市・戸田市・八王子市の制度で、他の自治体の見回り条件などは確認していません。
「目撃しただけ」では相談しても捕獲の対象にならない場合がある
上尾市は、ハクビシンは被害がある場合のみ捕獲許可の対象で、目撃のみでは捕獲できないとしています。
上尾市は、屋内への住み着き等で市が対応できない場合、防除業者への相談が必要で費用は自己負担と明記しています。
自治体の制度は年度で変わることがあるため、相談前に現在の受付内容を担当課に確認してください。
捕獲の許可を相談するとき、何を聞かれ、何が義務になるか
栃木市では捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要です。
わなは1日1回以上の見回りが義務づけられています。
対象以外の動物がかかった場合は、直ちに放獣することとされています。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(出典:栃木市)。
東京都は、許可のない捕獲は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になると案内しています。
東京都内の有害鳥獣捕獲許可の申請先は、23区内が東京都環境局、多摩地区が東京都多摩環境事務所です。
手続きの日数と見回り義務について書いたのは栃木市のもので、他の自治体の手続き日数は確認していません。
民間業者への相談はどこから入るか|協会の窓口と現地調査
町田市は民間業者の相談先として、公益財団法人東京都ペストコントロール協会(電話03-3254-0014)を案内しています。
アサンテ、害獣駆除パートナー、ホームスター、駆除ザウルスの4社は、いずれも現地調査を無料と自社サイトで案内しています。
ここに挙げた業者の情報は各社が自社サイトで公表している内容で、当サイトが依頼して確かめたものではありません。
相談の入口は現地調査で、屋根裏や天井裏を見てもらわないと作業範囲が決まりません。
ハクビシン駆除をどこに頼むか迷う場合は、いい業者の見つけ方も参考にしてください。
見積りの相談で確認する項目|金額より先に「どこまでやるか」
料金が何で変わるかは各社が公表しています。
ホームスターは「建物の広さ(平米数)」「侵入口の箇所数」「隙間の大きさ」で変わるとしています。
害獣駆除パートナーは「作業面積」「被害の程度(小被害〜大被害)」、駆除ザウルスは「建物の広さ」「侵入口の箇所数」「被害状況」「建物の構造」で変わるとしています。
駆除ザウルスとアサンテの料金表示の多くは「〜円から」という最低条件の価格で、条件によって金額が上がる形です。
見積りでは、3工程(追い出し・捕獲/清掃・消毒/侵入口の封鎖)のどこまでが含まれるかを項目ごとに確認してください。
自治体の事業を使った場合、消毒と封鎖が自己負担として残ります(町田市・板橋区・目黒区)。
その部分だけを業者に相談する形も考えられます。
料金の考え方の全体像は費用の考え方にまとめています。
保証は年数ではなく条件で比べる
害獣駆除パートナーは最長5年保証で、対象は「ネズミ、ハクビシン、アライグマ、イタチ、コウモリ」です。
条件は「施工後3カ月以内の再発は無償で何度でも対応、4カ月目から5年以内の再発は1度に限り無償対応」です。
ホームスターは最長5年保証で、対象は「ハクビシン:5年保証/ネズミ:1年保証」です。
条件は「ハクビシンは駆除料金より10〜20%増し、ネズミは駆除料金より30〜50%増し」です。
駆除ザウルスは最長10年保証で、対象は「全般(イタチ・テン・ネズミ・コウモリ・ムクドリ・トコジラミ・シロアリは最長5年)」です。
条件は「建物の構造等により前後することがある」です。
アサンテは最長5年保証で、対象は「シロアリ」、条件は「エコ割安心プラン適用条件を満たす場合。保証期間中に2回(3年目・5年目)の定期点検を実施。点検を受けない場合は再処理や保証継続ができないことがある」です。
保証の相談では、対象の動物に自分の相手が入っているか、再発時の回数制限、追加費用の有無を確認してください。
これらはいずれも各社の公表情報です。
業者ごとの違いを並べて見るなら駆除業者の比較も参考にしてください。
賃貸・アパートで相談する前に|連絡する相手が変わる
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
入居者が先に業者へ発注すると、負担の話が後戻りする場合があります。
まず管理会社または貸主に連絡して、調査と作業の発注を誰が行うかを決めてください。
自治体の捕獲事業には、立会いや居住の条件が付く例があります。
目黒区は区内在住・糞尿被害の実在・立会いを条件に、年度1回限りとしています。
賃貸やアパートでの発注順を誤ると、費用の押し付け合いになりやすい点に注意してください。
相談の電話で伝えると話が早い情報|音・フン・シミ・侵入口
音がしている時間帯を伝えてください。
ハクビシンは夜行性で、日中は天井裏などで休みます。
国立環境研究所は、昼間は樹洞・岩穴・人家の屋根裏等で休憩するとしています。
同じ場所に排泄する習性(ためフン)があり、天井のシミや悪臭の原因になります。
シミの位置と広がりを伝えてください。
環境省生物多様性センターは、家屋侵入により糞尿を排泄するため、天井のシミ汚れや異臭が生じる場合が多いとしています。
農林水産省は、幅6センチ×高さ12センチ程度の隙間があれば屋内に侵入できるとしており、通風口などからの侵入が多いとしています。
農林水産省は、昭和30年代中頃から40年代後半に建築された建物で侵入率が最も高いとしています。
天井裏で出産・育児をする場合があるため(出典:農林水産省)、複数の足音や鳴き声が聞こえるかも伝えてください。
屋根裏の音の正体を先に絞りたい場合は屋根裏で音がする。正体を音から絞る、フンの有無を確かめたい場合はフンがあるも参考にしてください。
ハクビシンが家に来る理由は何ですか?|相談時に原因として挙がる点
雑食性で果実や種子を好み、昆虫類、魚類、残飯等も食べます(出典:国立環境研究所)。
果実を好むため、家庭菜園や果樹の被害も出ます。
木登りが得意で、屋根や電線から侵入します。
前肢・後肢とも丸形の5本指で分厚い肉球を持ち、これを押し付けて挟むように上り下りします。
このため、雨樋のような滑らかな柱でも登れます(出典:農林水産省)。
明確な縄張りを持たず、複数のねぐらを他個体と共同または時間差で使うことがあります(出典:農林水産省)。
農林水産省は繁殖期を1〜9月、出産期を3〜11月と推定し、ほぼ年間を通じて繁殖するとしています。
急いで相談したほうがいい状態|健康面と建物への影響
東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンが媒介する主な感染症として、レプトスピラ症、E型肝炎、サルモネラ感染症、疥癬などを挙げています。
農林水産省は、ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があるとしています。
体調に異変があるときや、咬まれた・引っかかれた場合は医療機関を受診してください。
令和5年度の全国の農作物被害額は約3億6500万円、被害面積は約0.3千ヘクタールです(出典:農林水産省)。
封鎖をしないと再発するため、追い出しや捕獲だけで終わらせないことが大切です。
症状から状況を確認したい場合は症状から調べるも参考にしてください。
その音、動物ではないかもしれない|住宅の相談窓口という選択肢
木造住宅では、冬の乾燥時や天井裏と室内の温度差が大きい時に、木材の乾燥による軋み音が数年にわたり生じることがあります(出典:住まいるダイヤル)。
この軋み音は必ずしも施工上の瑕疵ではなく、木材の自然な性質による可能性があるとされます。
マンションでは給排水管のウォーターハンマー音や、ポンプ・エレベーターの振動が固体伝搬音として聞こえる例が報告されています。
天井のシミや水音が雨漏りではなく、室内外の温度差による結露が原因の場合もあります。
住まいるダイヤルは国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、住宅の不具合に関する電話・専門家相談を無料で受け付けています。
横須賀市は、屋根裏や縁の下にムササビ・コウモリ・タヌキが棲みついた場合の相談への回答を公開しています。
音の正体が動物かどうかを先に絞りたい場合は、屋根裏で音がする。正体を音から絞るも合わせて確認してください。
相談先を迷ったときの決め方|被害の出方で窓口を選ぶ
住居内への侵入と糞尿被害が出ているなら、まず市区町村の担当課に捕獲事業と許可の相談をしてください。
その際、消毒と封鎖が自己負担として残るかを確認します(町田市・板橋区・目黒区の事業ではいずれも自己負担です)。
自治体の事業には期間の上限があります(町田市は最長3週間、横浜市は2週間・年1回限り)。
その期間で終わらない場合は、業者への相談が必要になります。
業者に相談する場合は、無料の現地調査を受け、3工程のどこまで含むか・保証の対象動物と条件を確認してから決めてください。
音だけで動物を見ていない場合は、住宅側の原因も含めて確認してから発注してください。
賃貸の場合は、発注前に管理会社または貸主へ連絡してください。
屋根裏での具体的な作業の流れはハクビシン駆除の流れ|相談から封鎖・再発防止まで全工程、音の確認から追い出し・封鎖まではハクビシンが屋根裏にいる時|音の確認から追い出しと封鎖までで詳しく扱っています。
