先に結論|巣は「壊す」より「使えなくする」。位置を突き止めてから追い出し・清掃・封鎖の順に進む
ハクビシンの駆除は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれます。
この順番のうち封鎖を省くと、同じ場所に戻ってくるため、再発を防ぐには封鎖まで含めて進める必要があります。
巣材やため糞を片付けても、出入りしている穴が開いたままなら戻られる位置づけです。
ハクビシンは明確な縄張りを持たず、複数のねぐらを他個体と共同または時間差で使うことがあります(農林水産省)。
そのため、1か所を見つけて終わりにせず、建物全体で出入口を確認する必要があります。
法律や制度の全体像はハクビシンの見分け方と駆除で扱っています。
ハクビシンの巣はどこにできるか|家の中と、家のまわり
国立環境研究所は、ハクビシンが昼間は樹洞・岩穴・人家の屋根裏等で休憩するとしています。
天井裏で出産・育児をする場合もあります(農林水産省)。
屋外では樹洞や岩穴が使われますが、住宅地では屋根裏がその代わりになっている状態です。
通風口などから住居内へ侵入する場合が多く、壁の隙間の有無が侵入されやすさに影響します(農林水産省)。
農林水産省は、昭和30年代中頃から40年代後半に建築された建物で侵入率が最も高いとしています。
築年数の古い建物ほど、通風口まわりや壁の隙間を先に確認しておくと位置が絞りやすくなります。
屋根裏の様子は屋根裏で音がする。正体を音から絞るでも扱っています。
ハクビシンは昼間どこにいる?
ハクビシンは夜行性で、日中は天井裏などで休みます。
国立環境研究所は、昼間の休憩場所として樹洞・岩穴・人家の屋根裏等を挙げています。
複数のねぐらを他個体と共同または時間差で使うことがある(農林水産省)ため、日中に物音がしない日があっても、そこが使われていないとは限りません。
昼間静かだからといって巣が別の場所にあると決めつけると、確認が甘くなります。
音がした日と時間帯を書き留めておくと、位置を絞るときの手がかりになります。
何日か記録を続けて、音の出る場所が同じかどうかを見ていくと、巣の候補を絞り込みやすくなります。
巣の位置は、侵入口から逆算して絞る
農林水産省は、幅6センチ×高さ12センチ程度の隙間があれば屋内に侵入できるとしています。
一辺8センチの正方形、直径9センチの円形の開口部から侵入できるとする業者の案内もあります(害獣駆除専門業者ホームスター)。
前肢・後肢とも丸形の5本指で分厚い肉球を持ち、これを押し付けて挟むように上り下りするため、雨樋のような滑らかな柱でも登れます(農林水産省)。
木登りが得意で、屋根や電線から侵入します。
地面からではなく、屋根に上がる経路として通風口・軒下・雨樋まわりを順に見ると、侵入口が見つかりやすくなります。
屋根まわりの隙間を一通り見たら、その真下にあたる天井裏を優先して確認する流れになります。
巣があるサイン|ため糞、天井のシミ、臭い
ねぐらなどにため糞をする習性があり、通路上の側溝や溜まり水にも糞をする場合があります(国立環境研究所)。
家屋侵入により糞尿を排泄するため、天井のシミ汚れや異臭が生じる場合が多いです(環境省生物多様性センター)。
頭から尾の先までの長さは90〜110センチ(町田市)で、害獣のなかでは大型に分類される(害獣対策の窓口)ため、通る場所には跡が残りやすい動物です。
ただし、天井のシミや水音は雨漏りとは限りません。
室内外の温度差による結露が原因の場合があります(住まいるダイヤル)。
住まいるダイヤルは国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、住宅の不具合に関する電話・専門家相談を無料で受け付けています。
シミの原因が結露か動物かで迷う場合は、こうした窓口に相談する選択肢もあります。
フンの特徴はフンがある、足跡の特徴は足跡があるで確認できます。
巣を塞ぐ前に確認すること|中に子が残っていないか
国立環境研究所は出産期を3〜12月、産子数を1〜4頭としています。
農林水産省は繁殖期を1〜9月、出産期を3〜11月と推定し、ほぼ年間を通じて繁殖するとしています。
生後3か月で成獣と同程度の体重になります(農林水産省)。
天井裏で出産・育児をする場合がある(農林水産省)ため、封鎖は出入りが止まったことを確かめてから行う順番になります。
中に子がいる状態で侵入口を塞ぐと、閉じ込めになってしまいます。
音や気配が数日なくなったことを確認してから、封鎖の作業に進んでください。
見つけた直後の対応はハクビシンを見つけたらにまとめています。
巣に手を入れる前に|捕獲には許可が要る
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
ハクビシンは鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣(獣類)に指定されています(環境省)が、狩猟鳥獣であることは自由に捕まえてよいという意味ではありません。
住宅被害での捕獲には許可が必要です。
東京都は、許可のない捕獲は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になると案内しています。
捕獲許可の申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
栃木市では捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要で、わなは1日1回以上の見回りが義務づけられ、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣することになっています。
わなを借りても、巣の撤去と消毒は自分で手配することになる|町田市・板橋区・目黒区の条件
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行いますが、消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っていますが、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります。
目黒区は箱わなの貸出と捕獲動物の回収費用を負担しますが、糞尿の清掃・消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、区内在住・糞尿被害の実在・立会いが条件、年度1回限りです。
ここに挙げたのは町田市・板橋区・目黒区の事業であり、ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体ごとの制度の調べ方は自治体の制度にまとめています。
巣の跡に残るもの|ため糞の清掃・消毒と、体につくもの
同じ場所に排泄する習性(ためフン)があり、天井のシミや悪臭の原因になります。
農林水産省は、ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があるとしています。
東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンが媒介する主な感染症として、レプトスピラ症、E型肝炎、サルモネラ感染症、疥癬などを挙げています。
ため糞の清掃や消毒を自力で行う際は、こうした感染症のリスクがある場所に触れる作業になります。
作業後に体調の不安が出たら、医療機関にかかってください。
巣まで含めて任せるとき、依頼先に確認すること
依頼先を選ぶときは、「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程を通して任せられるかで見てください。
封鎖をしないと再発するため、どこをどこまで塞ぐのかを作業前に確認することが欠かせません。
町田市は民間業者の相談先として、公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています。
上尾市は、屋内への住み着き等で市が対応できない場合、防除業者への相談が必要で費用は自己負担と明記しています。
自治体のわな貸出だけでは巣の撤去・消毒・封鎖まで届かない場合があるため、その先を業者に頼むかどうかを早めに決めておくと話が進みやすくなります。
業者を選ぶときの見方はいい業者の見つけ方にまとめています。
