先に結論|ハクビシンの撃退は「その場から動かす」ところまで。封鎖まで終えないと戻ってくる
ハクビシンの駆除作業は、大きく3つの工程に分かれます。
「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」です。
音・光・匂いといった撃退手段が担うのは、このうち1つ目の「追い出し」までです。
封鎖まで終えないと、同じ経路からまた戻ってくる余地が残ります。
ハクビシンは鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣で、許可なく捕獲・殺傷することはできません。
そのため、自分でできる撃退の手段は「追い出す」側に限られます。
見分け方や制度全体を含めた全体像は、ハクビシンの見分け方と駆除で確認できます。
侵入口の封鎖など再発防止の具体的な手順は、ハクビシン対策(侵入口の塞ぎ方と再発防止)に譲ります。
ハクビシンが家に来る理由は何ですか?|撃退が効く相手かどうかは、ここで決まる
ハクビシンは夜行性です。
国立環境研究所によると、昼間は樹洞・岩穴・人家の屋根裏等で休憩するとされています。
雑食性で、果実や種子を好むほか、昆虫類・魚類・残飯なども食べます(国立環境研究所)。
木登りが得意で、屋根や電線から侵入してきます。
農林水産省によると、前肢・後肢とも丸形の5本指で分厚い肉球を持ち、これを押し付けて挟むように上り下りするため、雨樋のような滑らかな柱でも登れるとされています。
幅6センチ×高さ12センチ程度の隙間があれば屋内に侵入できるとされ、通風口などからの侵入が多いとされています(農林水産省)。
明確な縄張りを持たず、複数のねぐらを他個体と共同または時間差で使うことがあるとされています(農林水産省)。
つまり、1頭を追い出しても、別の個体が同じ場所に来る余地が残ります。
ハクビシンは昼間どこへ行く?|撃退の作業を夜にやっても空振りする理由
ハクビシンは夜行性で、日中は天井裏などで休んでいます。
国立環境研究所も、昼間は樹洞・岩穴・人家の屋根裏等で休憩するとしています。
天井裏で物音がするのがだいたい夜であれば、その時間はハクビシンが動き回っている時間帯です。
夜に音がする=そのとき活動していた、という考え方になり、装置をいつ作動させるかを検討する材料になります。
音がする場合は、まず鳴る時間帯を記録しておくと、対策の組み立てに役立ちます。
農林水産省によると、天井裏で出産・育児をする場合があるとされています。
出産・育児の時期は幼獣がいる可能性があり、追い出しだけでは解決しない場合があります。
屋根裏の音の正体をさらに絞りたい場合は、屋根裏で音がする。正体を音から絞るを参照してください。
ハクビシン撃退音・超音波は効くのか|業者自身が認めている3つの限界
ハクビシン 撃退 音・ハクビシン 撃退 超音波で検索する人がまず知りたいのは「本当に効くか」です。
害獣対策の窓口は、超音波装置について1種類の音だけでは慣れてしまう可能性があると案内しています。
超音波が届く範囲には限界があり、1か所に置くだけでは足りない場合があるとも案内されています。
さらに、装置によって対象の動物が異なるため、ハクビシンに有効かどうかを購入前に確認する必要があるとされています。
つまり音での撃退は、1台を置いて放置するのではなく、対象動物の確認・設置数・音の切り替えをセットで考える必要があります。
音で動かせたあと、何をするか
音が担えるのは、3工程のうち「追い出し」までです。
清掃・消毒と侵入口の封鎖は、別の作業として残ります。
音が止んだだけで封鎖しなければ、同じ経路から戻る余地が残ります。
音が続くのに姿が見えないとき
木造住宅では、冬の乾燥時や天井裏と室内の温度差が大きい時に、木材の乾燥による軋み音が数年にわたり生じることがあるとされています(住まいるダイヤル)。
この軋み音は必ずしも施工上の瑕疵ではなく、木材の自然な性質による可能性があるとされています。
マンションでは、給排水管のウォーターハンマー音や、ポンプ・エレベーターの振動が固体伝搬音として聞こえる例も報告されています(住まいるダイヤル)。
住まいるダイヤルは国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、住宅の不具合に関する電話・専門家相談を無料で受け付けています(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)。
匂い・スプレー・電気|ハクビシン撃退グッズの選び方と置き方
ハクビシン 撃退スプレー、ハクビシン 撃退 匂いで探している場合、まず押さえたいのは忌避剤の性質です。
唐辛子に含まれるカプサイシンの匂いを嫌う傾向があるとされ、これを使った忌避剤が市販されています(害獣対策の窓口)。
電気式の撃退器も含め、装置によって対象の動物が異なるため、ハクビシン撃退グッズを選ぶときは対象にハクビシンが入っているかを事前に確認する必要があります。
届く範囲にも限界があるため、侵入経路が複数ある場合は1か所の設置だけでは足りない場合があります(害獣対策の窓口)。
超音波と同じように、同じ刺激だけを置き続けると効果が薄れていく可能性があるため、電気式の装置も設置台数や組み合わせを見直す視点が欠かせません。
いずれのグッズも、あくまで追い出し側の手段です。
捕獲にあたる行為には許可が要ります。
ハクビシンを来なくする方法は?|撃退のあとに残る作業
3工程のうち、封鎖をしなければ再発します。
ハクビシンにはねぐらなどにため糞をする習性があり、通路上の側溝や溜まり水にも糞をする場合があります(国立環境研究所)。
家屋に侵入して糞尿を排泄するため、天井のシミ汚れや異臭が生じる場合が多いとされています(環境省生物多様性センター)。
フンがある場合は、清掃・消毒の工程がまだ残っていると考えられます。
果実を好むため、ハクビシン 撃退 畑で検索する人も多いはずです。
家庭菜園や果樹の被害も出るため、畑や庭に収穫残しや落果が残り続ける限り、通ってくる理由も残ります。
侵入口の封鎖と日常の対策の具体は、ハクビシン対策(侵入口の塞ぎ方と再発防止)にまとめています。
ハクビシンの何がやばいのですか?|撃退を急いだほうがいい理由
農林水産省は、ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があるとしています。
東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンが媒介する主な感染症として、レプトスピラ症、E型肝炎、サルモネラ感染症、疥癬などを挙げています。
体調に不安が出た場合は、医療機関を受診してください。
天井裏で出産・育児をする場合があり(農林水産省)、生後3か月で成獣と同程度の体重になるとされています(農林水産省)。
放置すると、頭数が増える余地が残ります。
令和5年度の全国の農作物被害額は約3億6500万円、被害面積は約0.3千ヘクタールです(農林水産省)。
被害報告は年々増加しており、被害発生地域は都市部で拡大しているとされています(環境省生物多様性センター)。
撃退でどこまでやっていいのか|捕まえる・殺すは許可が要る
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
ハクビシンは、鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣(獣類)に指定されています(環境省)。
一方で、ハクビシンは特定外来生物には指定されておらず、環境省の特定外来生物等一覧にも記載がありません。
政府は、現行の基本方針上、指定することは考えていないと答弁しています(2019年5月31日 答弁書)。
ただし、2015年公表の生態系被害防止外来種リストでは、重点対策外来種として掲載されています(環境省生物多様性センター)。
東京都は、許可のない捕獲は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になると案内しています(東京都環境局)。
栃木市も、許可なく鳥獣を捕獲した場合は鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があるとしています。
捕獲許可の申請先は、市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
東京都内では、23区内が東京都環境局、多摩地区が東京都多摩環境事務所です(東京都環境局)。
家の中で出会ってしまった直後の対応は、ハクビシンを見つけたらで扱っています。
自分で撃退しきれないとき|名前の出ている市区の捕獲事業と、その条件
自分の手では追い出しまでしかできません。
その先は、自治体の捕獲事業を使える場合があります。
町田市は、アライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
ただし消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません(町田市)。
町田市は、民間業者の相談先として公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)も案内しています。
板橋区は、平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っていますが、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は事業の対象外です(板橋区)。
目黒区は箱わなの貸出と捕獲動物の回収費用を負担しますが、清掃・消毒と侵入口の封鎖は自己負担です。
条件は区内在住・糞尿被害の実在・立会いで、年度1回限りです(目黒区)。
横浜市は、住居内への侵入被害に限り市契約業者による捕獲・回収を無料で行います。
庭での目撃や池の被害は対象外で、一人当たり2週間まで、年1回限りです(横浜市)。
船橋市はアライグマ・ハクビシン限定の捕獲用ワナを無料貸出し、設置期間は最大8週間です(船橋市)。
狛江市の箱わな貸出は1日1回以上の見回りが条件で、貸出期間は原則3週間です(狛江市)。
千葉市は生活被害を受けた人を対象に箱ワナを貸し出し、貸出期間は原則1か月間です(千葉市)。
戸田市は箱わなによる捕獲を無料で実施しますが、初回設置時を除きエサは利用者が用意します(戸田市)。
八王子市は獣害対策課がアライグマ・ハクビシン捕獲用の箱わなを貸し出しています(八王子市)。
上尾市は、ハクビシンは被害がある場合のみ捕獲許可の対象で、目撃のみでは捕獲できないとしています。
屋内への住み着き等で市が対応できない場合、防除業者への相談が必要で、費用は自己負担です(上尾市)。
栃木市では、捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要で、わなは1日1回以上の見回りが義務づけられています。
対象以外の動物がかかった場合は、直ちに放獣します(栃木市)。
自治体の制度は年度で変わることがあります。
ここに挙げたのは名前の出ている市区のものであり、ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体の制度の一覧も参考にしてください。
その音と足あと、本当にハクビシンか|相手が違うと撃退手段が変わる
ハクビシンは、顔の中央に鼻から額にかけて白い線が通ります。
体色は灰褐色で、顔面と四肢の下部は黒褐色、額下部から鼻先の中央に白線が入ります(国立環境研究所)。
頭から尾の先までの長さは90〜110センチで、足が短いとされています(町田市)。
国立環境研究所は、頭胴長をメス61センチ・オス66センチ、尾長40センチ、体重約3キロとしています。
前肢・後肢とも丸形の5本指で、分厚い肉球を持つのも特徴です(農林水産省)。
クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミは鳥獣保護管理法の対象外で、自力で駆除できます。
アライグマは特定外来生物に指定されており、生きたままの運搬・飼養・放出が禁止されています。
コウモリは鳥獣保護管理法の対象で、捕獲・殺傷はできず、追い出しと侵入口の封鎖で対応します。
ただし冬眠期(おおむね12〜3月)は追い出しができないため、作業時期が限られます。
装置は対象動物が異なるため、まず正体を絞ってから選ぶ必要があります(害獣対策の窓口)。
なお、記事内の動物の画像は生成したもので、見分けの根拠にはできません。
テン・イタチとの見分けはテン・イタチとハクビシンの見分け方、アナグマとの見分けはアナグマとハクビシンの見分け方で扱っています。
撃退を業者に任せるかどうかの分かれ目
自分の手でできるのは追い出し側の手段までで、捕獲には許可が要ります。
名前の出ている市区の事業でも、清掃・消毒と侵入口の封鎖は自己負担として残る例があります(町田市・板橋区・目黒区)。
天井裏で出産・育児をしている時期に当たる場合、追い出しだけでは片付かない可能性があります(農林水産省)。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによるため、着手前に確認してください。
依頼先を選ぶときは、追い出し・清掃消毒・封鎖の3工程を通して任せられるかで見ることになります。
上尾市のように、市の事業の範囲を超える場合は防除業者への相談が必要で、費用は自己負担となる自治体もあります(上尾市)。
