イタチ対策は、相手が本当にイタチかを、体の大きさと被害の様子から確かめるところから始まります。
イタチは鳥獣保護管理法の対象で、住宅に侵入していても、許可なく捕まえることはできません。
捕獲が必要な場合は、市区町村などの許可を得て進めることになります。
イタチの全体像はイタチの見分け方と駆除で確認できます。
イタチ対策を始める前に、体の大きさでイタチかどうかを確かめる
屋根裏で物音がしたら、まず体の大きさの数値と照らし合わせてください。
国立環境研究所によると、ニホンイタチのオスは頭胴長27〜37センチ、体重290〜650グラムです。
メスは頭胴長16〜25センチ、体重115〜175グラムで、オスより大幅に小さくなります。
チョウセンイタチのオスは頭胴長28〜39センチ、体重650〜820グラムとされています。
大阪市住吉区と北九州市は、種を区別せず体長30〜40センチ程度と説明しています。
尾の長さが頭胴長の半分以上ある個体は、チョウセンイタチと判別されます(環境省)。
毛色はニホンイタチが茶褐色〜赤褐色、チョウセンイタチはやや褐色がかった山吹色です(環境省)。
チョウセンイタチは福井・岐阜・愛知以西の、沖縄を除く西日本に分布します(国立環境研究所)。
テンとの詳しい見分け方はテンとイタチの違いで解説しています。
昼間もいなくなるとは限らない|活動する時間帯
イタチの活動時間は、自治体によって説明が分かれています。
南あわじ市と北九州市は、夜行性としています。
東大阪市は、1年中活動し、都市部では昼夜とも活動すると案内しています。
昼に音がしないことだけで、もういないと判断しないでください。
東大阪市は、既存の穴や隙間を巣に使い、屋根裏や床下に住み着くとしています。
大阪府と堺市は、グラスウール断熱材をほぐして営巣・子育てすることがあると案内しています。
堺市は、このケースが増えていると説明しています。
イタチによる被害の実態
イタチによる被害は、天井裏の騒音と糞尿の臭いが中心です。
堺市は、天井裏の騒音、糞尿の臭気、台所や店舗への侵入を被害として挙げています。
大阪市住吉区も、天井裏を走り回る騒音と尿・糞の臭いを被害として紹介しています。
南あわじ市は、足音や鳴き声の騒音に加え、建材の破損、排せつ物の悪臭を挙げています。
大東市はこれらに加え、ノミ被害にも触れています。
イタチは肛門腺から強い臭気を出します。
体調に不安が出た場合は、医療機関へ相談してください。
その音、動物ではないかもしれない
天井裏の音が、必ずしも動物によるものとは限りません。
住まいるダイヤルによると、木造住宅では冬の乾燥時などに、木材の乾燥による軋み音が数年続くことがあります。
天井裏と室内の温度差が大きい時にも、同じ軋み音が生じることがあるとされています。
この軋み音は、必ずしも施工の不具合によるものではありません。
マンションでは、給排水管のウォーターハンマー音や、ポンプ・エレベーターの振動が聞こえる例も報告されています。
天井のシミや水音も、雨漏りではなく結露が原因の場合があります。
住まいるダイヤルは国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、電話や専門家への相談を無料で受け付けています。
3センチの隙間を点検する
大阪府は、イタチが3センチメートル四方の穴から出入りできると案内しています。
大阪市住吉区も、3センチメートル(500円玉大)の隙間から侵入すると説明しています。
屋根裏や床下に通じる隙間を探すときは、この大きさが点検の目安になります。
大東市は3センチ程度の隙間に侵入するとし、3センチ未満の網目の資材を推奨しています。
隙間を見つけても、すぐに侵入口をふさぐのは避けてください。
中にいる状態で塞ぐと、閉じ込めになります。
出ていったことを確認してから封鎖する、という順番を守ってください。
堺市はイタチの出産期を4月頃〜8月頃、南あわじ市は3月〜5月頃としており、時期が食い違います。
追い出しと封鎖の具体的な手順は、イタチが来なくなる方法で扱っています。
家の周りにある「餌」を知っておく
国立環境研究所によると、ニホンイタチはカエル、ネズミ類、鳥類、昆虫類、甲殻類、魚類を食べます。
チョウセンイタチの食性には、これに加えて果実類が挙げられています。
大阪府は、イタチの主食をネズミ・鳥類・昆虫などの動物食としています。
東大阪市は雑食性で、ネズミや小鳥の卵・ヒナ、カエル、昆虫類を好むとしています。
ネズミ類は、どの出典でもイタチの餌として挙げられています。
ただし、ネズミを減らすとイタチが来なくなることを示す出典は確認できていません。
ネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)は鳥獣保護管理法の対象外で、自力で駆除できます。
同じ天井裏の生き物でも、イタチとネズミでは法律上の扱いがまったく違います。
罠による捕獲には市町村長等の許可が要る
イタチは狩猟鳥獣に指定されていますが、対象は限られています。
環境省の指定では「イタチ(オス)」が狩猟鳥獣です。
群馬県も、狩猟の対象を「イタチはオスに限る」と明記しています。
平成29年9月からは、チョウセンイタチのメスのみが狩猟鳥獣に追加指定されました。
ただし、狩猟鳥獣であることは、誰でも自由に捕まえてよいという意味ではありません。
大阪府、北九州市、東大阪市はいずれも、住宅の被害を理由に捕獲する場合は市町村長等の許可が要るとしています。
申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
栃木市では、捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要です。
わなは1日1回以上の見回りが義務づけられ、対象外の動物がかかった場合は直ちに放獣することになっています。
許可なく捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があると栃木市は案内しています。
名前の出ている自治体の事業と、イタチが対象外であること
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
対象はアライグマとハクビシンで、イタチは含まれていません。
消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません(町田市)。
板橋区は平成29年度から、ハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っています。
こちらも対象はハクビシンとアライグマで、イタチは含まれていません。
侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外です(板橋区)。
ここで挙げたのは町田市・板橋区の事業です。
ほかの市区町村に、イタチを対象にした事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体の制度は市区町村ごとに異なり、年度で変わることがあります。
自治体の制度の探し方は自治体の制度にまとめています。
自分でやる範囲と、業者に任せる範囲
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれます。
封鎖をしないと再発します。
捕獲は許可が要るため、許可なく自分で進めることはできません。
隙間の場所や音のした時間を記録しておくと、相談の材料になります。
町田市は民間業者の相談先として、公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
自分で業者を手配する前に、まず管理会社や貸主に連絡してください。
業者に頼む場合の確認点は、いい業者の見つけ方で整理しています。
