イタチは鳴きます。
ただし「鳴き声」だけでは、天井裏にいるのがイタチかどうかは判断できません。
複数の自治体が、鳴き声を足音や臭いとあわせた被害として案内しています。
まずは声の主を絞り込む手順を見ていきます。
全体像はイタチの見分け方と駆除でも確認できます。
イタチは鳴きますか?|自治体が「鳴き声」を被害として挙げている
南あわじ市は、イタチの被害として足音・鳴き声による騒音、建材の破損、排せつ物の悪臭を挙げています。
堺市は、天井裏の騒音、糞尿の臭気、台所や店舗への侵入を被害として案内しています。
大阪市住吉区は、天井裏を走り回る騒音と、尿・糞の臭いを被害として挙げています。
鳴き声は単独で気づかれるのではなく、足音や臭いと重なって気づかれる場合が多いです。
声だけを手がかりにせず、他の症状とあわせて確認することが、実際の案内に沿った方法といえます。
イタチの鳴き声にはどんな意味がありますか?|声が聞こえる「状況」から読む
鳴き声の種類を聞き分けるより、いつ・どこで・何回聞こえたかを記録するほうが手がかりになります。
同じ時間帯に繰り返し聞こえるのか、1回きりだったのかをメモしておくとよいでしょう。
国立環境研究所の分類では、イタチは哺乳綱 食肉目(ネコ目)イタチ科に属する動物です。
声が増えやすい時期|出産期は自治体で記載が食い違う
堺市は、イタチの出産期を4月頃〜8月頃、年1回5〜6頭としています。
南あわじ市は、出産期を3月〜5月頃としており、堺市の時期とは食い違いがあります。
どちらが正しいかを決めつけず、両方の時期を幅として捉えておくのが実情に近いといえます。
声が天井から続くとき|断熱材の中で子育てしている場合がある
大阪府と堺市は、グラスウール断熱材をほぐして営巣・子育てすることがあると案内しています。
堺市は、断熱材をほぐして営巣・子育てするケースが増えていると説明しています。
東大阪市は、既存の穴や隙間を巣として使い、屋根裏や床下に住み着くとしています。
天井裏の暗がりや断熱材の中は、こうした場所として使われやすい環境です。
声の主を絞る3つの手がかり|音の時間・通れる隙間・におい
鳴き声の印象だけで判断するより、時間・隙間・においの3点を突き合わせるほうが絞り込みやすくなります。
音がした時間帯で絞る
南あわじ市と北九州市は、イタチを夜行性とする案内をしています。
一方で東大阪市は、イタチが1年中活動し、都市部では昼夜とも活動すると案内しています。
昼間に音がした場合でも、イタチの可能性が消えるわけではありません。
通り道の幅で絞る
イタチは胴が細長く、直径3センチ程度の隙間から侵入できます。
大阪府は、イタチが3センチメートル四方の穴から出入りできると案内しています。
大阪市住吉区は、3センチメートル(500円玉大)の隙間から侵入すると案内しています。
大東市は3センチ程度の隙間に侵入するとし、3センチ未満の網目の資材を勧めています。
隙間の幅は、侵入口を探すときの具体的な目安になります。
詳しい対策はイタチ対策|昼間の居場所・3センチの隙間・フン尿への対応で確認できます。
においで絞る
イタチは肛門腺から強い臭気を出します。
大阪市住吉区は尿・糞の臭いを、南あわじ市は排せつ物の悪臭を被害として挙げています。
夜中にギャーギャー鳴く動物は?|屋根裏で候補に挙がる動物
屋根裏で音の主として候補に挙がる動物には、イタチのほかハクビシン・タヌキ・コウモリ・ネズミがいます。
横須賀市は、屋根裏や縁の下にムササビ・コウモリ・タヌキが棲みついた場合の相談への回答を公開しています。
コウモリは鳥獣保護管理法の対象で、捕獲・殺傷はできません。
追い出しと侵入口の封鎖で対応しますが、冬眠期(おおむね12月〜3月)は追い出しもできません。
いえねずみ類3種(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)は鳥獣保護管理法の対象外で、自力で駆除できます。
アライグマは特定外来生物に指定されており、生きたままの運搬・飼養・放出が禁止されています。
候補がどの動物かによって、そのあとにできることは大きく変わります。
ハクビシンの声の特徴はハクビシンの鳴き声|夜にギャーギャー響く音の正体、動物以外の音の可能性は屋根裏で音がする。正体を音から絞るで確認できます。
イタチが庭に来る理由は何ですか?|食べ物と、使える隙間がある
国立環境研究所は、ニホンイタチがカエル、ネズミ類、鳥類、昆虫類、甲殻類、魚類を食べるとしています。
チョウセンイタチの食性には、さらに果実類が挙げられています。
大阪府はイタチの主食を、ネズミ・鳥類・昆虫などの動物食としています。
東大阪市は雑食性とし、ネズミや小鳥の卵・ヒナ、カエル、昆虫類を好むとしています。
東大阪市は、既存の穴や隙間を巣として使うとしており、庭先から床下・屋根裏へ移動する流れがあるとわかります。
庭に出入りする個体への対策は、イタチ対策|昼間の居場所・3センチの隙間・フン尿への対応で扱っています。
声の主がイタチかもしれないとき|種類で分布と見た目が変わる
ニホンイタチのオスは頭胴長27〜37センチ、体重290〜650グラムです。
ニホンイタチのメスは頭胴長16〜25センチ、体重115〜175グラムで、オスより大幅に小さくなります。
チョウセンイタチのオスは頭胴長28〜39センチ、体重650〜820グラムです。
自治体の案内では、種を区別せず体長30〜40センチ程度と説明される場合が多いです(大阪市住吉区、北九州市)。
尾長が頭胴長の半分以上ある個体は、チョウセンイタチと判別されます(環境省)。
毛色はニホンイタチが茶褐色〜赤褐色、チョウセンイタチはやや褐色がかった山吹色とされています(環境省)。
ニホンイタチの自然分布は本州・四国・九州で、北海道へは1880年代に移入されました。
チョウセンイタチは福井・岐阜・愛知以西の、沖縄を除く西日本に分布しています。
チョウセンイタチは「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されています。
判断の手がかりは掲載した数値や分布であり、画像だけで見分けるものではありません。
似た動物との見た目の違いはイタチに似た動物、チョウセンイタチとの関係はシベリアイタチとは|チョウセンイタチとの関係で扱っています。
鳴き声を放っておくとどうなるか|騒音のほかに起きていること
堺市は、天井裏の騒音、糞尿の臭気、台所や店舗への侵入を被害として挙げています。
南あわじ市は、建材の破損と排せつ物の悪臭を挙げています。
大東市は、イタチによるノミ被害にも言及しています。
大阪府と堺市は、断熱材をほぐして営巣・子育てすることがあると案内しています。
騒音・臭い・破損をあわせて記録しておくと、あとで相談するときに説明しやすくなります。
体調に不安がある場合は、医療機関へ相談してください。
うるさいからといって、自分で捕まえてよいか|許可とオス・メスの扱い
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
狩猟鳥獣として指定されているのは「イタチ(オス)」です(環境省)。
平成29年9月から、チョウセンイタチのメスのみが狩猟鳥獣に追加指定されました(環境省)。
群馬県は、狩猟の対象を「イタチはオスに限る」と明記しています。
狩猟鳥獣であっても、住宅の被害を理由に捕獲する場合は市町村長等の許可が必要です(大阪府、北九州市、東大阪市)。
捕獲許可の申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(栃木市)。
許可の要否や費用が動く条件はイタチ駆除|許可の要否・費用が動く条件・業者の選び方で詳しく扱っています。
自治体に頼めるか|町田市・板橋区・栃木市の条件をそのまま見る
町田市は、アライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません。
町田市は、民間業者の相談先として公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています。
板橋区は、平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っています。
侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります。
栃木市では、捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要です。
わなは1日1回以上の見回りが義務づけられており、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣します。
ここで挙げたのは町田市・板橋区・栃木市のものです。
ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
制度の探し方は自治体の制度でも紹介しています。
声が止まないときの相談先|どこまで頼むかを3工程で決める
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれます。
封鎖をしないと再発する場合があるため、どこかの工程を省くと意味が薄れます。
侵入口の封鎖は、動物が中から出ていったことを確認してから行う工程です。
自治体の事業が担う範囲と、自分または業者が担う範囲は工程ごとに分かれます。
町田市・板橋区は、封鎖と消毒が自己負担の範囲です。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
相談する前に、音がした時間・場所・続いた日数を書き出しておくと話が進みやすくなります。
