タヌキは害獣なのか|家に出たときに何ができるかは法律で決まる
タヌキは鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕獲や殺傷をすることはできません。
一方で、環境省が定める現行の狩猟鳥獣20種にも含まれています。
「法律で守られている動物」であると同時に「狩猟の対象にもなる動物」という、ふたつの面を持っています。
ただし狩猟鳥獣であることは、誰でも自由に捕まえてよいという意味ではありません。
住まいに出て困っている場合も、まずは正体の確認から始めます。
そのうえで、捕獲ではなく追い出し・清掃・封鎖という流れで考えていきます。
害獣全体の法律上の扱いは、害獣とは|住まいに出る動物の一覧と法律で決まる扱いの違いで整理しています。
タヌキの大きさと見た目|数字と模様で正体を絞る
農林水産省は、タヌキの成獣を尾まで含めて50〜70センチ、体重は平均4キロ程度としています。
東京都環境局の資料では、胴長は45〜55センチ程度とされています。
見た目の特徴としては、目の周辺を覆う黒いアイマスク状の模様と、背中から前肢にかけての黒いバンドが挙げられます(農林水産省)。
千葉県自然保護課の資料では、耳の縁とヒゲが黒いことも識別点とされています。
掲載画像ではなく、見た部位をメモして照合する
このページに掲載している動物の画像は生成したもので、実際に撮影した写真ではありません。
画像を見分けの根拠にはせず、見た動物の「顔の模様」「耳の縁の色」「尾の様子」を、見た直後に文字で書き留めてから照合してください。
足跡でタヌキを疑う|指4本・全体に丸く・爪痕が出る
東京都環境局の資料では、タヌキの足跡は指が4本で全体に丸いとされています。
ネコの足跡に似ていますが、爪痕がはっきり出る点が異なります。
泥や雪、砂など跡が残りやすい場所に、同じ特徴の足跡が連続して付いているかを確認します。
足跡だけで種を確定させず、フンや目撃情報とあわせて判断してください。
足跡の確認手順は足跡があるでも整理しています。
別の動物の可能性を一度だけ確認する
屋根裏や庭で見つかった足跡が、ハクビシンのものである可能性もあります。
ハクビシンの足跡は指の本数と肉球の形が手がかりになり、ハクビシンの足跡|5本指・丸い肉球で見分ける確認手順で照合できます。
タヌキとハクビシンの見分け方全体は、タヌキとハクビシンの違い|顔・尾・足跡・ふんで見分けるに整理があります。
ため糞が同じ場所に増える|片付けても作り直される理由
タヌキのため糞は、生活エリアの境界に作られることが農林水産省の資料で示されています。
片付けてもすぐに同じ場所にため糞が作り直される習性があります。
そのため、フンの撤去だけを繰り返しても根本的な解決にはなりません。
ため糞の場所が屋根裏や縁の下の近くにある場合は、侵入口の封鎖まで進める必要があります。
ただし、動物が屋内にいる状態で侵入口を塞ぐと閉じ込めてしまうため、封鎖は出ていったことを確認してから行ってください。
処理の際は手袋とマスクを着け、体調に異変があれば医療機関へ相談してください。
フンを見つけた場合の確認手順はフンがあるにまとめています。
他の動物のフンと迷ったとき
屋根裏などで見つかったフンが、ハクビシンやイタチのものである可能性もあります。
ハクビシンのフンの見分け方はハクビシンのフンの特徴|見分け方と見つけたらやること、イタチのフンはイタチのフンの見分け方|場所・臭い・被害から正体を絞るに整理があります。
タヌキが好きな食べ物は?|家のまわりで餌になっているもの
タヌキのため糞が生活エリアの境界に作られる習性からわかるのは、家のまわりがすでに行動範囲に入っている可能性があるということです。
生ゴミやペットフード、庭の落果など、屋外に置かれたままの食べ物を片付けることが、まず家庭でできる対応になります。
ただし餌を断つだけでは、すでに棲みついた個体が出ていくとは限りません。
追い出し、清掃、侵入口の封鎖という3つの工程をあわせて行う必要があります。
封鎖は、動物が出ていったことを確認してから行います。
屋根裏・縁の下にタヌキが棲みついたとき|横須賀市が公開している回答
横須賀市は、屋根裏や縁の下にムササビ・コウモリ・タヌキが棲みついた場合の相談への回答を公開しています。
この回答は横須賀市のものであり、ほかの市区町村に同じ案内があるかは確認できていません。
お住まいの市区町村の担当課に、対象の動物と相談できる内容を確認してください。
なお木造住宅では、冬の乾燥時や天井裏と室内の温度差が大きい時期に、木材の乾燥による軋み音が数年にわたり生じることがあります(住まいるダイヤル)。
音だけで動物がいると決めつけず、屋根裏の様子とあわせて確認してください。
屋根裏の音から正体を絞る方法は、屋根裏で音がする。正体を音から絞るにまとめています。
捕獲には許可が要る|申請先と、わなを置いたあとの義務
タヌキを含む鳥獣を捕獲するには許可が必要で、申請先は市区町村または都道府県の担当課になります。
申請の際は被害状況の説明が求められます。
栃木市では、捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書を提出する必要があります。
わなを設置したあとは1日1回以上の見回りが義務づけられ、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣することになっています(栃木市)。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(栃木市)。
これは栃木市の手続きであり、ほかの市区町村の申請期限や条件は確認できていません。
自治体の捕獲事業の対象にタヌキが入るとは限らない|町田市・板橋区の例
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
ただし消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません(町田市)。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っています。
侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります(板橋区)。
この2つの事業で名前が挙がっている動物はアライグマとハクビシンで、タヌキは含まれていません。
これは町田市と板橋区の事業の内容であり、ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認できていません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体制度の調べ方は自治体の制度にまとめています。
害獣駆除どのくらいかかる?|作業の中身を3工程で見る
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3つの工程に分かれます。
このうち封鎖をしないと、同じ場所にまた棲みつかれてしまいます。
封鎖は、動物が出ていったことを確認してから行う必要があります。
期間の目安が公開されている例として、町田市の防除事業ではわなの設置期間が最長3週間で、延長はできません。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
費用の決まり方と業者の比べ方は、害獣駆除とは|自分でできる範囲・費用の決まり方・業者の選び方と費用の考え方で扱っています。