ハクビシンのうんちってどんなの?まず「形」より「置かれ方」で見る
結論から言うと、フンの形だけでハクビシンと決めるのは難しいです。
**見るべきは「同じ場所に溜まっているか」「どこに置かれていたか」**で、形はその次の手がかりになります。
ハクビシンには同じ場所に排泄する習性(ためフン)があり、ねぐらなどにため糞をすることが国立環境研究所の記述にあります。
1個だけ落ちているより、同じ場所に溜まっている・日を追って増えるほうがハクビシンを疑う材料になります。
通路上の側溝や溜まり水にも糞をする場合があるとされています(国立環境研究所)。
雑食性で果実や種子を好み、昆虫類・魚類・残飯等も食べるため(国立環境研究所)、食べたものによって中身の見え方は変わります。
なお、本記事に掲載している画像は生成したイラストで、撮影した写真ではありません。
画像だけで動物の種類を断定しないでください。
この記事は、置かれ方→場所→他の動物との比較→やることの順で進めます。
全体像はハクビシンの見分け方と駆除にまとめています。
フンが同じ場所に溜まる|ためフンという習性から分かること
同じ場所にフンが溜まっているなら、そこがねぐらまたは通り道になっている可能性があります。
ハクビシンは夜行性で、日中は天井裏などで休みます。
国立環境研究所は、昼間は樹洞・岩穴・人家の屋根裏等で休憩するとしています。
家屋侵入により糞尿を排泄するため、天井のシミ汚れや異臭が生じる場合が多いです(環境省生物多様性センター)。
天井のシミや悪臭がフンと同時に出ているなら、屋内に入られている可能性が高い方向で考えてください。
明確な縄張りを持たず、複数のねぐらを他個体と共同または時間差で使うことがあります(農林水産省)。
つまり、フンを出しているのが1頭とは限りません。
片付けても同じ場所にまた出る場合
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれます。
封鎖をしないと再発します。
フンの撤去だけでは、通り道やねぐらとしての利用そのものは止まりません。
具体的な封鎖の手順はハクビシン対策に渡します。
フンが見つかった場所で絞る|庭・ベランダ・屋根・雨樋・天井裏
ハクビシンは前肢・後肢とも丸形の5本指で、分厚い肉球を持っています(農林水産省)。
分厚い肉球を押し付けて挟むように上り下りするため、雨樋のような滑らかな柱でも登れます(農林水産省)。
そのため屋根の上・ベランダの手すり・雨樋まわりといった高い場所のフンは、登れる動物に候補が絞られます。
庭に出る場合は、果実を好むため家庭菜園や果樹の被害も出ます。
通風口などから住居内へ侵入する場合が多く、壁の隙間の有無が侵入されやすさに影響します(農林水産省)。
農林水産省は、幅6センチ×高さ12センチ程度の隙間があれば屋内に侵入できるとしています。
農林水産省は、昭和30年代中頃から40年代後半に建築された建物で侵入率が最も高いとしています。
建物の隙間の大きさについてはハクビシンの大きさ|体長90〜110cmと通れる隙間で詳しく扱っています。
庭や畑の地面にある場合
屋外のフンだけでは屋内への侵入があるとは言えません。
天井のシミ・異臭・夜間の物音を合わせて見てください。
ベランダ・屋根・雨樋の上にある場合
雨樋を登れることから、2階のベランダや屋根の上にもフンが残ることがあります。
フンの位置は侵入口を探す手がかりになります。
その先の点検はハクビシンが屋根裏にいる時|音の確認から追い出しと封鎖までに渡します。
他の動物のフンと見分ける|タヌキ・アライグマ・イタチ・ネズミ・コウモリ
ハクビシンは食肉目(ネコ目)ジャコウネコ科、学名 Paguma larvataで(国立環境研究所 侵入生物データベース)、頭胴長はメス61センチ・オス66センチ、尾長40センチ、体重約3キロです。
全長は約90〜140センチで害獣のなかでは大型に分類されるため(害獣対策の窓口)、体格の近い動物とフンだけで切り分けるのは難しいです。
タヌキも同じ場所に排泄する習性が知られており、屋外のため糞だけでは確定しません。
詳しくはタヌキとハクビシンの違い|顔・尾・足跡・ふんで見分けるに渡します。
アライグマは特定外来生物に指定されており、生きたままの運搬・飼養・放出が禁止されています。
正体が変われば、取れる手順も変わります。
ネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)は鳥獣保護管理法の対象外で自力で駆除できるため、相手がネズミなら進め方が大きく変わります。
コウモリは鳥獣保護管理法の対象で、捕獲・殺傷はできません。
追い出しと侵入口の封鎖で対応します。
ただし冬眠期(おおむね12〜3月)は追い出しができません。
イタチとの見分けはテン・イタチとハクビシンの見分け方で扱っています。
大きさの比較表ではなく、どこに・どう溜まっていたかで候補を絞る順番を優先してください。
正体が変わると、やっていいことが変わる
鳥獣保護管理法により、対象となる鳥獣は許可なく捕獲・殺傷することができません。
東京都は、許可のない捕獲は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になると案内しています。
法の対象外は、いえねずみ類3種(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)だけです。
ハクビシンの何がやばいのですか?|フンから出る健康被害と住宅被害
東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンが媒介する主な感染症として、レプトスピラ症、E型肝炎、サルモネラ感染症、疥癬などを挙げています。
農林水産省は、ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があるとしています。
体調に異変があれば自己判断せず医療機関を受診し、動物のフンに触れた可能性があることを伝えてください。
住宅側の被害としては、家屋侵入による糞尿で天井のシミ汚れや異臭が生じる場合が多いです(環境省生物多様性センター)。
天井裏で出産・育児をする場合もあります(農林水産省)。
国立環境研究所は出産期を3〜12月、産子数を1〜4頭としています。
農林水産省は繁殖期を1〜9月・出産期を3〜11月と推定し、ほぼ年間を通じて繁殖するとしています。
生後3か月で成獣と同程度の体重になるため(農林水産省)、放置すると頭数が増えるおそれがあります。
ハクビシンのフンを見つけたらどうすればいいですか?|処理と消毒の進め方
素手で触らないでください。
使い捨ての手袋・マスクを使い、作業後は手を洗います。
ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があるとされているため(農林水産省)、作業着は分けて扱ってください。
乾いたフンを掃き散らさないようにします。
湿らせてから回収し、密閉して捨てる手順にします。
回収後は同じ場所を消毒します。
消毒まで終えても、侵入口が残っていれば再発します。
天井裏など狭く足場の悪い場所、量が多い場所、断熱材まで汚れている場所は自力作業の範囲を超えます。
清掃・消毒は駆除の3工程の真ん中であり、その前後(追い出し・封鎖)が揃わないと完了しません。
天井裏の作業内容はハクビシン駆除は天井裏で何をするかで扱っています。
ハクビシンが来なくなる方法はありますか?|フンを片付けたあとに残る作業
唐辛子に含まれるカプサイシンの匂いを嫌う傾向があるとされ、これを使った忌避剤が市販されています(害獣対策の窓口)。
超音波装置は、1種類の音だけでは慣れてしまう可能性があると駆除業者自身が案内しています(害獣対策の窓口)。
超音波が届く範囲には限界があり、1か所に置くだけでは足りない場合があると案内されています(害獣対策の窓口)。
装置によって対象の動物が異なるため、ハクビシンに有効かどうかを事前に確認する必要があります(害獣対策の窓口)。
果実を好むため、庭の落果や収穫残しは来訪の理由になりえます。
追い出しただけでは戻られます。
封鎖まで終えて、初めてフンが止まります。
具体的な撃退手段はハクビシン撃退|音・超音波・グッズの効き方と限界、封鎖手順はハクビシン対策に渡します。
捕獲には許可が要る|フン被害を理由に申請できる自治体の事業
ハクビシンは鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣(獣類)に指定されています(出典:環境省)。
ただし狩猟鳥獣の指定は、誰でも捕まえてよいという意味ではありません。
鳥獣保護管理法により、許可なく捕獲・殺傷することはできません。
捕獲許可の申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
上尾市は、ハクビシンは被害がある場合のみ捕獲許可の対象で、目撃のみでは捕獲できないとしています。フンが残っていることは被害状況の説明材料になりえます。
目黒区は箱わなの貸出と捕獲動物の回収費用を負担しますが、糞尿の清掃・消毒と侵入口の封鎖は自己負担です。区内在住・糞尿被害の実在・立会いが条件で、年度1回限りです。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っていますが、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります。
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行いますが、消毒と侵入口の封鎖は自己負担です。わなの設置期間は最長3週間で延長はできません。
横浜市は住居内への侵入被害に限り、市契約業者による捕獲・回収を無料で行います。庭での目撃や池の被害は対象外で、一人当たり2週間まで、年1回限りです。
栃木市では捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要で、わなは1日1回以上の見回りが義務づけられ、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣します。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります(栃木市)。
ここに挙げたのは目黒区・板橋区・町田市・横浜市・栃木市・上尾市の事業です。
ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体の制度は年度で変わることがあるため、申請前に現行の内容を確認してください。
自治体ごとの制度の調べ方は自治体の制度にまとめています。
業者に任せるかどうかの分かれ目|フンの量・場所・天井のシミで決める
板橋区・町田市・目黒区の事業を使った場合でも、ふん尿の撤去・消毒・侵入口の封鎖は自己負担として残ります。
上尾市は、屋内への住み着き等で市が対応できない場合、防除業者への相談が必要で費用は自己負担と明記しています。
町田市は民間業者の相談先として、公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています。
東京都内の有害鳥獣捕獲許可の申請先は、23区内が東京都環境局、多摩地区が東京都多摩環境事務所です。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによります。
作業を発注する前に相談してください。
見積りでは、清掃・消毒の範囲と、侵入口の封鎖が含まれるかを確認してください。
費用の考え方は費用の考え方、業者選びはいい業者の見つけ方にまとめています。
そのフン、動物ではない可能性も一度だけ確認する
天井のシミや水音が雨漏りではなく、室内外の温度差による結露が原因の場合があります(住まいるダイヤル)。
木造住宅では、冬の乾燥時や天井裏と室内の温度差が大きい時に、木材の乾燥による軋み音が数年にわたり生じることがあります(住まいるダイヤル)。
この軋み音は必ずしも施工上の瑕疵ではなく、木材の自然な性質による可能性があるとされています。
マンションでは、給排水管のウォーターハンマー音や、ポンプ・エレベーターの振動が固体伝搬音として聞こえる例が報告されています(住まいるダイヤル)。
住まいるダイヤルは国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、住宅の不具合に関する電話・専門家相談を無料で受け付けています(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)。
ただし、フンの実物がある場合は、動物の出入りを前提に点検を進めてください。
フンが見つかった状況をあらためて確認したい場合は、フンがある(症状から調べる)をご覧ください。
