ハクビシンの食べ物は、果実・種子を中心に、昆虫や残飯まで含む雑食です。
果物しか食べないわけではなく、家の周りの生ゴミや収穫残しも餌になります。
ここでは「何を食べるか」から「それがどこにあるか」「餌を片づければ解決するか」まで、食べ物に絞って答えます。
ハクビシンの生態全体を知りたい場合は、ハクビシンとは|特徴・生態・家に出たときの扱いにまとめています。
ハクビシンは何を食べるのか|果実と種子を好む雑食性
国立環境研究所は、ハクビシンを雑食性とし、果実や種子を好み、昆虫類、魚類、残飯等も食べるとしています。
つまり、果物だけを食べる動物ではなく、人の生活圏にあるものも餌にします。
果実を好む性質から、庭の果樹や家庭菜園が被害に遭いやすい傾向があります。
分類は哺乳綱 食肉目(ネコ目)ジャコウネコ科で、学名はPaguma larvata(国立環境研究所 侵入生物データベース)です。
原産地はヒマラヤ、中国南部、台湾、マレー半島、スマトラ、ボルネオとされています。
好むとされるもの|果実・種子
国立環境研究所は、ハクビシンが果実や種子を好むと記述しています。
この食性が、農作物被害の大きな要因になっています。
農林水産省によると、令和5年度の全国の農作物被害額は約3億6500万円、被害面積は約0.3千ヘクタールです。
果樹や家庭菜園を持つ家では、収穫物そのものが誘引の対象になりやすいといえます。
果実以外も食べる|昆虫類・魚類・残飯
国立環境研究所は、果実や種子のほかに昆虫類、魚類、残飯等も食べるとしています。
残飯が含まれるということは、人の暮らしの周りに餌が生じうるということでもあります。
屋外に出した生ゴミや、調理の残りが放置されている場所は、餌場になり得ます。
次の見出しで、家のまわりのどこが餌場になりやすいかを具体的に見ていきます。
家のまわりで餌になっているもの|場所ごとに見る
果実や種子を好み、残飯も食べるという食性から、家の周囲で餌になりうる場所を一度洗い出してみます。
庭やベランダの果樹、家庭菜園の収穫残しや落果は代表的な誘引源です。
屋外に出したままの生ゴミ、屋外で与えているペットフードや食べ残しも対象になります。
木登りが得意で、屋根や電線から侵入するため、高い場所の果実や2階のベランダも油断できません。
農林水産省は、分厚い肉球を押し付けて挟むように上り下りするため、雨樋のような滑らかな柱でも登れるとしています。
庭先だけでなく、高い場所にある果実や物置も含めて、何がどこに置かれているか一度書き出して確認してください。
対策の全体像はハクビシン対策で扱っています。
ハクビシンは猫を食べますか?犬を食べますか?
国立環境研究所が示す食性は、果実・種子を好み、昆虫類、魚類、残飯等も食べるという内容です。
犬や猫を捕食するという記述は、この記事で参照している国立環境研究所・農林水産省・環境省の資料の中には確認できていません。
実際に住まいで問題になりやすいのは、屋外に置いたペットフードや食べ残しが餌になる点です。
全長は約90〜140センチで、害獣のなかでは大型に分類されます(害獣対策の窓口)。
国立環境研究所は頭胴長をメス61センチ・オス66センチ、尾長40センチ、体重約3キロとしています。
ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があります(農林水産省)。
ペットが接触した可能性があるときは、動物病院へ相談してください。
ハクビシンは昼間どこにいる?餌をとる時間との関係
ハクビシンは夜行性で、日中は天井裏などで休みます。
国立環境研究所は、昼間は樹洞・岩穴・人家の屋根裏等で休憩するとしています。
餌あさりは夜間に起きるため、朝になって食べ跡や落果の散乱で気づく場合があります。
農林水産省は、明確な縄張りを持たず、複数のねぐらを他個体と共同または時間差で使うことがあるとしています。
屋根裏の音や気配が気になる場合は、ハクビシンが屋根裏にいる時|音の確認から追い出しと封鎖までも参考になります。
ハクビシンが苦手なものは何ですか?
唐辛子に含まれるカプサイシンの匂いを嫌う傾向があるとされ、これを使った忌避剤が市販されています(害獣対策の窓口)。
忌避剤は、餌そのものを片づけたうえで補助的に使うものです。
害獣対策の窓口は、装置によって対象の動物が異なるため、ハクビシンに有効かどうかを事前に確認する必要があるとしています。
音や超音波を使った撃退方法については、ハクビシン撃退|音・超音波・グッズの効き方と限界で扱っています。
好物で誘引して捕まえることはできるのか|許可と罰則
ハクビシンは鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣(獣類)に指定されており、許可なく捕獲・殺傷することはできません。
東京都は、許可のない捕獲は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になると案内しています(東京都環境局)。
捕獲許可の申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
東京都内では、23区内が東京都環境局、多摩地区が東京都多摩環境事務所です(東京都環境局)。
栃木市では捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要で、わなは1日1回以上の見回りが義務づけられ、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣します(栃木市)。
上尾市は、ハクビシンは被害がある場合のみ捕獲許可の対象で、目撃のみでは捕獲できないとしています(上尾市)。
ここで挙げたのは東京都・栃木市・上尾市の案内であり、ほかの自治体の条件は確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
餌を片づければ来なくなるのか|すでに棲みついている場合
ハクビシンには同じ場所に排泄する習性(ためフン)があり、天井のシミや悪臭の原因になります。
環境省生物多様性センターは、家屋侵入により糞尿を排泄するため、天井のシミ汚れや異臭が生じる場合が多いとしています。
農林水産省は、天井裏で出産・育児をする場合があるとしています。
また、幅6センチ×高さ12センチ程度の隙間があれば屋内に侵入できるとしています(農林水産省)。
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれ、封鎖をしないと再発します。
屋外の餌を片づけることは誘引要因を減らすことにつながりますが、すでに屋根裏をねぐらにしている場合は、3工程を通して対応する必要があります。
ためフンの特徴はハクビシンのフンの特徴|見分け方と見つけたらやることで、封鎖までの流れはハクビシンが屋根裏にいる時|音の確認から追い出しと封鎖までで扱っています。
自治体が捕獲を行う制度はあるか|名前の出ている市区の条件
町田市はアライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。
ただし消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、わなの設置期間は最長3週間、延長はできません(町田市)。
板橋区は平成29年度からハクビシン・アライグマの捕獲駆除事業を行っていますが、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があります(板橋区)。
目黒区は箱わなの貸出と捕獲動物の回収費用を負担しますが、糞尿の清掃・消毒と侵入口の封鎖は自己負担です。
区内在住・糞尿被害の実在・立会いが条件で、年度1回限りです(目黒区)。
横浜市は住居内への侵入被害に限り市契約業者による捕獲・回収を無料で行い、庭での目撃や池の被害は対象外です。
一人当たり2週間まで、年1回限りです(横浜市)。
船橋市はアライグマ・ハクビシン限定の捕獲用ワナを無料貸出し、設置期間は最大8週間です(船橋市)。
千葉市は生活被害を受けた人を対象に箱ワナを貸し出し、貸出期間は原則設置日から1か月間です(千葉市)。
庭の果樹や家庭菜園の被害だけでは対象外になる例として、横浜市の「庭での目撃や池の被害は対象外」、上尾市の「目撃のみでは捕獲できない」が挙げられます。
ここに挙げたのは町田市・板橋区・目黒区・横浜市・船橋市・千葉市・上尾市のもので、ほかの市区町村に同じ事業があるかは確認していません。
お住まいの市区町村の担当課で、対象の動物と条件を確認してください。
自治体の制度全般は自治体の制度にまとめています。
食べ跡を見つけたあと、どこまで自分でやるか
自分でできる範囲は、屋外の餌の片づけです。
落果・収穫残し・生ゴミ・屋外のペットフードを、まず一通り確認してください。
屋根裏からの音やフン、天井のシミがある場合は、清掃・消毒と封鎖まで必要になります。
上尾市は、屋内への住み着き等で市が対応できない場合、防除業者への相談が必要で費用は自己負担と明記しています(上尾市)。
町田市は民間業者の相談先として公益財団法人東京都ペストコントロール協会(03-3254-0014)を案内しています(町田市)。
賃貸住宅の場合、費用負担は管理会社または貸主との取り決めによるため、先に連絡してください。
農林水産省は、ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があるとしています。
また東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンが媒介する主な感染症として、レプトスピラ症、E型肝炎、サルモネラ感染症、疥癬などを挙げています。
体調に不安があれば、医療機関へ相談してください。
症状から調べたい場合は、症状から調べるも参考になります。
